藤フーズ

無知すぎる百貨店との交渉

とにかく東京に向かった。

そのちょっと前の話。当時、ホントに無知で、物流の意味が分からなかった。手づくりのパンフレットを作った。NTTに電話帳を借りて、手づくりのパンフレットを送った。送り先は花の都大東京の百貨店に。手づくりのパンフレット、今考えると信じられない話だけど、そのお手製パンフレットで、買ってくれると確信していた。そんなこと絶対ないのに。そんなクオリティのものでもないのに。でも自信しかなかった。

とにかく東京に向かった。

話は戻る。何をしに?百貨店の方々が見たのか?見てないのか?わからないから。それを確認しに行こうと。なけなしの金を持って東京に上がった。無論アポなんてとっていない。当日、百貨店の前にある公衆電話でアポを取る。会ってくれるわけないのに。そんな数日を過ごしていた。そんなとき奇跡があった。酔っ払って財布を落とした。財布の中に帰りの航空チケットが入っていた。これは困った。失意に暮れた。でも、奇跡は起きた。翌朝、落とした財布が郵便ポストの上にあった。
その勢いで、電話をかけた。そしてそこから運命の道が切り開かれる。
東武百貨店の榊原さん。最初に百貨店の門が開いたのは東武百貨店。4回目の電話であっていただけた。
アポ取りも商談させてくれっていうだけなのに。お逢いしたら榊原さんは同い年。話は一気に盛り上がり夏からの販売が決まった。その後、東急百貨店も決まった。担当は吉田さん。

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