これまでは大手商社を通して、下関のふぐを販売していた。
その大手商社を通さずに直接、百貨店さんとやりとりができた。そうすると、間の中間マージンが発生しない。なので、売る方も高く売れて、買う方も安く仕入れることができた。そして、なんといっても、直で百貨店の担当者様の要望が聞くことができる。だから次の年はこうしよう。みたいな商品開発にもつながった。なので関とら本店の名前は、またたく間に百貨店業界を浸透していくのだった。これが下関のダイレクトマーケティング。もちろんそんな言葉は知らなかったが、正しいあきないをやっている自負が強かった。
物流を知っていたら、大手商社の方々にお願いしていた。
でも無知だった。だから東京に飛んだ。セールスを知らないから、当日百貨店の目の前で電話を掛けることができた。知らないから。ビジネスマナーも世の中の常識非常識も。でも、正しいことをしているんだという強い想いと、それを信じ突き進む行動力が、そして失うものなんてなにもないというよく意味のわからない自信が、切り開いた未来。決してそんな難しいことをしたつもりもない。でも、結果、あんまり誰もができないことをしたようになっている。それは熱量。そして信念。さらに行動。この3つが掛け合わさったからこそ、無謀が共感されたんだと。